大阪の犯罪認知件数について

犯罪の「認知」とは、告訴・告発、110番通報などによるもので、
全体の8割が被害関係者からの被害届である。これらを「発生原票」というものに記載すると
犯罪統計で認知に計上される。ところが、ある事件が起こるまでは警察署で被害届を受理しても、
すべてを発生原票に記したわけではなかった。書き込むかどうか、警察官の判断が介入したのだ。

その事件とは、被害相談の対応の遅れが事件を拡大させた埼玉県桶川市
ストーカーによる女子大生刺殺事件である。この事件を受け、2000年に警察改革要綱が発表された。

大阪府警の内部文書によると、警察改革要綱が発表された翌月の2000年9月、
刑事部長名で「犯罪として問えるものはすべて受理し、犯罪統計に上げること」との通達を出した。
そして明らかにその月から刑法犯認知件数が増加した。

2001年には、富山(47%)をトップに大阪など6府県が30%以上、23府県が10%以上
前年から犯罪認知件数が増加した。
一方、東京では犯罪認知件数は微増したに過ぎなかった。

在京マスメディアは、「不良債権」(統計上隠れた犯罪)を清算しなかった警視庁の
怠慢を指摘しなかったばかりか、逆に積極的に情報公開をした大阪の「犯罪件数」が
東京を抜いて全国最多になったことだけを大騒ぎしたのである。

<参考>
http://web.archive.org/web/20040217001719/
http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/200202/22.html
http://blogs.yahoo.co.jp/d107324/folder/533191.html

■1999年の犯罪認知件数
刑法犯認知件数 東京都:251180 大阪府:196383
凶悪犯認知件数 東京都:1305   大阪府:696 
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h11/h11s0307.html
■警察官の数は警視庁が41,000人(管内人口1,200万人)に対して、大阪府警は19,000人(同880万人)
ttp://homepage2.nifty.com/GANSO_hirokun/backnumber/056.html