非武装のなれの果て

武装のなれの果て

今年の二月のことであるが、西インド諸島のひとつハイチ共和国で反政府武装集団が
蜂起し、アリスティド大統領が中央アフリカに逃亡するという事件が起こった。実は、
このハイチ共和国(人口七百五十三万人)は「非武装の国」であった。国軍を解散し
当時五千三百人の国家警察隊が治安にあたっていたが、同国第二の都市
カップハイシャンを武力で制圧した武装勢力はたったの約二百人。このうち警察署を
襲撃したのは約十人だけで、警官らは抵抗せずに逃げたという。その結果、約千九百人の
アメリ海兵隊が治安維持のためにハイチへ派遣されることになった。こ
の争乱の中で略奪・殺人が横行し住民が多大の被害を受けたことは言うまでもない。

 日本の「平和勢力」は「軍隊を捨てた国」ハイチの出来事について全く言及していない。
国を守る軍隊がなければ、たった数百人の反乱軍によって国家が制圧され、
外国の介入を受けてしまうのである。もちろん、「平和勢力」の真の目的が軍隊を
解体することにより「数千人の部隊で日本国家を乗っ取る」ことにあるとすれば、
それはそれで「もっともな話」ではある。

ttp://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0410/ronbun2-4.html