扶桑社教科書の不採択運動 中核派、深く関与

  新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の中学歴史・公民教科書の不採択運動で、
  過激派の中核派市民運動を偽装して深く関与していたことが、警察庁公安調査庁がそれぞれ公表した
  今年の「治安の回顧と展望」「内外情勢の回顧と展望」で分かった。

  警察庁は、扶桑社教科書採択阻止について、
  中核派が(1)イラク問題(2)「日の丸・君が代」問題(3)東京都議選−の「三大闘争」と同等に重視したと分析。
  「『つくる会の教科書採択に反対する杉並親の会』と共闘して、市民運動を装いながら、
  杉並区役所の包囲行動、同区教育委員会への抗議・申し入れ、傍聴等に取り組んだ」と記述した。

  公安調査庁も、中核派が杉並区役所前で街頭宣伝や「人間の鎖」を行ったと認定。
  教員に浸透を図る「教労(教育労働者)決戦」の一環として、教職員組合や市民団体に対し、
  同派系大衆団体を前面に立てて共同行動を呼びかけたと指摘している。

  また、卒業式・入学式での国旗掲揚・国歌斉唱反対運動についても
  「都立高校の周囲に活動家を動員して、ビラ配りに取り組んだ」(警察庁)、
  「東京をはじめ大阪、広島などでビラを配布した」(公安調査庁)などとして、中核派の関与を明らかにしている。

【2005/12/27 東京朝刊から】
(12/27 08:17)
http://www.sankei.co.jp/news/051227/sha024.htm